古家や空き家の解体を決めたものの、何をいつやればいいのか分からない。
解体工事は業者選びから滅失登記まで7つの工程があり、着工までに1〜2か月かかります。
この記事では全体の流れと、施主が動くタイミング、費用の目安を工程順に整理しました。
業者に任せれば全部やってもらえるんですよね?
工事そのものは業者の仕事ですが、届出とライフラインの停止、登記は施主が動く場面があります。
結論|解体工事の流れは準備1〜2か月+工事1〜4週間の全7ステップ
解体工事の流れは業者選定→見積り→契約→着工前準備→解体工事→整地・引き渡し→滅失登記の7ステップです。
相談から更地の引き渡しまでは3か月程度を見ておくと安全です。
施主が動くのは届出・ライフライン停止・近隣挨拶・滅失登記の4場面で、それ以外は業者が進めます。
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まず全体像として、解体工事の期間の目安を数字で押さえておきます。
準備期間が長く見えますが、大半は業者選びと見積りの比較に使う時間です。
ここを急ぐと工事内容の確認が甘くなり、着工後の追加費用につながります。
3か月も見ておく必要があるんですね。
解体工事の流れ【全7ステップ】を工程順に解説
家屋解体の手順は、業者に依頼する前の準備と、着工後の作業の2段構えになっています。
解体業者を探す
解体工事業の登録または建設業許可を持つ業者を、3社前後まで絞り込むのが基本です。
現地調査と見積り
建物と周辺道路を見てもらい、見積書を受け取ります。
依頼から提出までは約1週間が目安です。
契約の締結
解体範囲・追加費用の条件・支払いタイミングを確認し、契約書を交わします。
着工前の準備
建設リサイクル法の届出、ライフラインの停止、残置物の処分、近隣への挨拶を済ませます。
解体工事
外構の撤去から足場・養生の設置、内装材の分別解体を経て、建物本体と基礎の解体へ進む流れです。
整地と引き渡し
土地を平らに均し、業者と施主が立ち会って契約内容との相違がないかを確認する工程です。
建物滅失登記
取り壊した日から1か月以内に、法務局へ滅失登記を申請します。
ステップ4までが準備、5から7が工事とその後の手続きという区切りですね。
迷いやすいのはステップ4です。
ここで届出が漏れると着工そのものが遅れます。
解体工事の工程表|30坪の木造なら着工から10日前後が目安
工程表に落とすと、着工後の動きはこうなります。
| 日程 | 工程 | 施主の関わり |
|---|---|---|
| 着工7日前まで | 建設リサイクル法の届出 | 届出者は施主(委任状で業者が代理可) |
| 1〜2日目 | 外構撤去・足場と養生の設置 | 近隣への挨拶を済ませておく |
| 2〜4日目 | 屋根材・内装材の手作業による分別解体 | ― |
| 4〜7日目 | 重機による建物本体の解体 | ― |
| 7〜9日目 | 基礎の解体・地中埋設物の確認 | 埋設物が出た場合は追加費用の相談 |
| 9〜10日目 | 廃材の搬出・整地・清掃 | 完工立ち会いで整地状態を確認 |
30坪程度の木造住宅なら、作業員3〜4人と重機で7〜10日程度で終わるのが一般的です。
工程表は契約前にもらえます。
日付入りで出してもらうと、立ち会う日の段取りが組めます。
ただし小規模な外構だけなら数日、規模の大きい建物や複雑な構造では数週間かかることもあるんです。
天候にも左右されるので、余裕を持った計画にしておきたいところです。
建て替えのために自宅を解体したケースでは、2週間かからずに工事が終わったという声もあります。
一方で、業者の繁忙期にあたる年度末は作業員の確保が難しく、工期が伸びやすくなります。
工程表があると業者との話も早そうです。
ステップ1〜3|業者選定から契約までが解体費用を左右する
解体工事で金額の差が最も大きく出るのは、工事そのものより業者選びの段階です。
同じ建物でも、業者ごとに廃材の処理ルートや重機の手配が違うんですよね。
相見積もりは3社前後。1社だけで決めない
見積書は依頼から約1週間程度で提出されるのが一般的です。
複数社に依頼して、費用とサービス内容を並べて比べてみてください。
安さだけで選ぶのは危険です。
実績や口コミ、問い合わせへの対応の速さも判断材料に加えてみてください。
見積書の金額だけ見ていたら、危なかったです。
現地調査をしないまま金額だけ出してくる見積もりには注意してください。
着工後に「地中埋設物があった」「残置物が想定より多い」として追加費用を請求されるおそれがあります。
また、工事費が500万円以上の解体工事を請け負うには建設業許可(解体工事業)が必要です。
許可の有無は業者サイトの会社概要で確認できます。
現地調査に立ち会って見積書の内訳を確認する
現地調査では、建物の構造・敷地内の状況・周辺道路の幅・残置物の有無が見られます。
可能なら立ち会って、残したい庭木や撤去してほしい設備を直接伝えておくのが確実です。
口頭で伝えた内容は、見積書か議事メモに残してもらうと後で揉めません。
- 総額だけでなく、本体工事費・廃材処分費・整地費の内訳が分かれているか
- アスベストの調査結果と、除去が必要な場合の費用の扱いが書かれているか
- 地中埋設物が出た場合の追加費用の条件が明記されているか
- 残置物の処分がどこまで含まれているか
- 着手金の有無と支払いタイミング
解体業者の登録や許可申請の様式は自治体が公開しています。
たとえば東京都の場合は東京都都市整備局の解体工事業登録のページで手引と申請書類が確認できます。
相見積もりって、業者に嫌がられませんか?
解体工事では一般的な進め方です。
比較されることを前提に見積書を作っている業者がほとんどですよ。
見積書の内訳の読み方や一括比較サービスの違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。
ステップ4|着工前にやる解体工事の準備リスト
ここが施主の出番です。
届出とライフラインの停止が終わっていないと、工事は始められません。
建設リサイクル法の届出は着工7日前まで
延床面積の合計が80㎡を超える建物を解体する場合、建設リサイクル法に基づく届出が必要です。
提出期限は着工の7日前までで、届出の義務は原則として発注者である施主にあります。
委任状を作っておけば、解体業者が代理で提出してくれます。
代理で出してもらう場合も、提出済みの控えを見せてもらってください。
制度の詳細は国土交通省「建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です!」で確認できます。
建設リサイクル法とは建物解体により生じた産業廃棄物の分別リサイクル(再資源化)を促進するために定められた法律で解体する建築物の延べ床面積が80㎡を超える場合には届出が義務付けられています。
富士解体工業「解体工事の流れ」
このほか、工事車両で道路を使う場合の道路使用許可、騒音・振動の届出、アスベスト除去の届出などが、工事内容次第で加わってくるとのことです。
道路使用許可が必要なのに届出を怠ると、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象になる可能性があります。
解体に必要な主な書類は、建設リサイクル法の届出書・建物滅失登記申請書・工事計画書と工程表・付近見取図・対象建築物の写真・アスベスト調査結果報告書・委任状です。
提出先は市町村役場や法務局に分かれるため、どれを業者が代行しどれを自分で出すのかを契約時に整理しておくと漏れません。
届出は業者が全部やってくれると思っていました。
ライフラインの停止と残置物の処分
電気・ガス・電話・インターネット・ケーブルテレビ・警備サービスは、工事の1週間前までに契約会社へ連絡します。
家屋の解体では、電気や電話は電柱からの引き込み部分を取り外し、ガスは配管をカットする作業が入ります。
解体工事中の粉じんを抑える散水に水道を使うため、水道は停止しないのが通常の進め方です。
停止のタイミングは業者と相談して決めてください。
家具・家電・生活用品などの残置物は、できるだけ自分で処分しておきたいところです。
業者に任せると処分料が上乗せされ、量が多いと工期も伸びてしまうんですよね。
粗大ごみ回収やリサイクルショップ、不用品回収業者を使い分けると負担が軽くなりますよ。
片付けが一番大変そうですが、ここは費用に直結するので手を動かす価値があります。
近隣への挨拶は工事日程が決まってから
解体工事では騒音・振動・粉じんが避けられません。
着工前に近隣を回り、工事の期間と作業時間を伝えておくとトラブルが起きにくくなります。
挨拶は業者と一緒に回るケースもあるとのことです。
繁忙期は挨拶回りが省略されることもあります。
日程が決まった時点で誰が回るのか確認しておくと安心です。
ステップ5|着工から完工までの解体工事の手順
着工後の作業は、外側から内側へ、上から下へと進みます。
最初に手をつけるのはカーポート・樹木・ブロック塀などの外構です。
重機の搬入路と足場を確保するためで、ここが片付かないと本体に入れません。
続いて防音シートと足場を設置し、騒音と粉じんを抑える養生に入ります。
そのあと屋根材・内装材を手作業で分別解体し、建物本体、基礎の順に解体していく流れです。
分別解体を飛ばして重機で壊す業者は違法
建設リサイクル法では、解体工事で適切な分別作業を行うことが義務付けられています。
断熱材・建具・畳・サッシ・瓦・石膏ボードなどは、重機を入れる前に手作業で外して分別するのが決まりです。
この工程を省いていきなり重機で解体する、いわゆるミンチ解体は法令違反です。
足場の外から作業の様子が見えるので、気になったら業者に工程を聞いてみてください。
分別解体を省く業者は、廃材処理でも手を抜いている可能性があります。
- 散水しながら解体しているか(粉じんの飛散対策)
- 屋根材や内装材が種類ごとに分別されているか
- 基礎の解体時に地中埋設物が出ていないか
地中のコンクリートガラや古い瓦などは、掘り起こして初めて分かります。
見つかった場合は追加費用が発生するため、その場で写真と金額の説明を求めるのが確実です。
木造・鉄骨造・RC造で変わる解体方法
同じ「解体」でも、構造によって使う重機と工法が変わります。
| 構造 | 主な解体方法 | 工期・費用の傾向 |
|---|---|---|
| 木造 | 手作業で屋根材・内装材を外し、重機で本体を解体 | 最も短く、費用も抑えやすい |
| 鉄骨造(S造) | 鋼材を切断しながら解体。重量鉄骨は6mm以上の鋼材を使用 | 木造より長く、費用も上がる |
| RC造・SRC造 | 油圧圧砕・油圧ブレーカー・ワイヤーソーイング等を使い分ける | 最も硬く、工期・費用ともに大きくなる |
ビルの場合は地上解体・階上解体・ブロック解体など、敷地条件に応じて工法が選ばれるとのことです。
都市部では仮囲いや防音対策の比重が大きくなりますね。
狭い土地や道路が細い立地では、使える重機が限られて費用が上がります。
木造と鉄骨で、そんなに手間が違うんですね。
ステップ6〜7|引き渡しと建物滅失登記で解体工事は完了
整地が終わったら、業者と施主が立ち会って引き渡しを受けます。
確認したいのは、契約した解体範囲との相違がないか、整地が平らに仕上がっているか、地中に埋設物が残っていないかの3点です。
ここを流してしまうと、建て替えや売却の段階で問題が出てきます。
引き渡しの立ち会いは、平日でも時間を作ったほうがいいですね。
建物滅失登記は取り壊しから1か月以内
登記されている建物を取り壊した場合、所有者は取り壊した日から1か月以内に滅失登記を申請する義務があります。
申請先は法務局です。
必要になるのは、解体業者が発行する取り壊し証明書と、産業廃棄物の処理を証明するマニフェストです。
オンライン申請の手順は法務局「建物を取り壊した」のページにまとまっています。
登記の根拠となる条文は不動産登記法に定められているものです。
- 専門家への報酬がかからない
- 必要書類は取り壊し証明書など数点で足りる
- 法務局で書類を取り寄せる手間と平日の時間が必要
- 土地家屋調査士に依頼する場合は3〜4万円程度の費用がかかる
なお、マニフェスト伝票は産業廃棄物の不法投棄を防ぐための書類で、5年間の保存が義務付けられています。
受け取ったら捨てずに保管してください。
滅失登記を放置すると、固定資産税の扱いや売買の手続きで支障が出ます。
工事が終わったら早めに動くのが得策です。
解体工事の費用相場と、流れの中で費用が動くタイミング
解体費用の総額は、住宅の場合おおむね100〜300万円程度が目安とされています。
構造別の坪単価に置き換えると次のとおりです。
いずれも解体工事の一括見積もりサービスや解体業者各社が公開する相場情報をもとに整理した、2026年8月時点でアスベストを含まない場合の目安です。
| 構造 | 坪単価の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 木造 | 31,000〜44,000円/坪† | 手壊しの範囲が広いと上振れ |
| 鉄骨造(S造) | 34,000〜47,000円/坪† | ビルのS造は3.0〜4.0万円/坪† |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 35,000〜80,000円/坪† | ビルのSRC造は4.5〜6.0万円/坪† |
† 公式情報での確認が取れず、調査による参考値
地域によっても差が出ます。
都市部では人件費が上がりやすく、隣家との間隔や道路幅の都合で使える重機に制限が出ると、その分費用が高くなります。
逆に、廃棄物の処理コストが安く済む地域もあるようです。
実際の金額は現地調査の結果で大きく変わるため、必ず複数社から見積もりを取ってください。
相見積もりで数十万円の差が出ることもあります。
1社だけで決めないでください。
費用を抑えられるタイミングは3つ
流れの中で費用が動くのは、業者選定・残置物の処分・工事時期の3か所です。
- 相見積もりを取り、内訳まで比較する
- 家具・家電など自分で処分できるものは先に片付ける
- 買い取ってもらえる不用品は売却に回す
- 年度末にあたる12〜3月の繁忙期を避ける
- 自治体の解体費用の補助制度があるか確認する
空き家対策として個人の解体工事費用を補助している自治体はありますが、条件も金額も地域によって違います。
必ずもらえるものではありません。
申請の要否や期限を含めて、詳細はお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
補助金の金額を先に知りたいのですが…
制度そのものが自治体ごとに違うので、金額は窓口で確認するのが唯一の正解です。
見積りと並行して進めてください。
坪単価や見積書の内訳をもう一段細かく知りたい方は、家屋解体の費用相場をまとめた記事も参考になります。
解体工事の注意点|トラブルになりやすい3つの論点
工事の流れを知っていても、つまずくポイントはだいたい決まっています。
アスベストは着工前の事前調査が前提
原則として2006年以降に建てられた建物ではアスベストの使用が禁止されています。
それ以前の建物には含まれている可能性が残るわけです。
解体前のアスベスト調査は石綿障害予防規則で定められた手続きです。
工事中に発見されると、作業員だけでなく近隣にも影響が及びかねません。
飛散性の高いアスベストの除去では、隔離養生と負圧除じん装置を使って粉じんを外に漏らさない工法がとられます。
近所で工事があったとき、こういう説明が欲しかったです。
近隣住民の立場からすると、説明が後になるほど不安は大きくなります。
施主側としては、調査結果と除去工法の説明を近隣にいつ・誰が行うのかを、契約前に業者と決めておくのが有効です。
- 地中埋設物による追加費用(掘るまで分からないため、条件を契約書で確認)
- 無許可業者による不法投棄(発注した施主側も法的責任を問われる可能性がある)
施主にも責任がいくんですね。
業者選びを軽く考えていました。
アスベストのレベル判定や除去費用、発注者に課される届出の詳細はこちらで確認できます。
解体工事の見積もりを無料で比較できる窓口3選
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窓口を2つ使って比較してもいいんですか?
問題ありません。
紹介される業者が重複しないので、比較の幅は広がります。
解体工事の流れに関するよくある質問
まとめ
- 解体工事の流れは業者選定から滅失登記までの7ステップ。全体で3か月程度を見る
- 延床面積80㎡超の建物は、着工7日前までに建設リサイクル法の届出が必要
- ライフラインの停止は工事の1週間前まで。水道は散水に使うため止めない
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流れを知っていれば、業者から出てきた工程表が妥当かどうか自分で判断できます。
まずは見積りを2〜3社分そろえるところから始めてみてください。




